ビルの谷間に古い教会

 

23.クリーブランド (200448日〜10日)

 

 

クリーブランドに行ってきました。元大工業都市で、一時、廃墟になりそうなまでに衰退したが、その後、観光業で復活した都市だそうです。まず初めに、この町で気が付いたことを箇条書きしてみたいと思います。

 

@人々が、ものすごーく親切!困っていると誰かがすぐに声をかけてくれる←ここ赤線

A建築物の立派さ。細部にわたって非常に仕事が細かく、かつ、芸術的←これ2重丸ね

B市電に乗っている90%以上は黒人さん

 

では、旅行の顛末を・・・

 

手すりの透かしが綺麗!
ホテルにて

 

48日(木)の夜、DCユニオンステーションでダンナと待ち合わせをし、初めてアメリカの鉄道・アムトラックに乗ってボルティモア空港へ行きました。アムトラックの中は、さすが、アメリカサイズで、シートの幅も、前のシートとの間隔も広々として、このまま列車のままでクリーブランドまで行っても良くってよ・・・と思ったくらい。たった27分の乗車時中に、ユニオンステーションで買った中華丼をかき込み、あっという間にボルティモア空港駅へ。駅から空港までは、無料のシャトルバスが結んでいますが、これも結構な時間乗るのですよね・・・やっぱりアメリカ、広い・・・

 

クリーブランドの空港からダウンタウンまでは、アメリカにしては珍しく、電車で行くことが出来ます。ダウンタウンの中心・タワーシティー駅に着いたのは、11時半過ぎ。近代的な摩天楼の中にとんがり屋根の古そうな教会や、彫刻が施された戦士のモニュメントなどがごちゃ混ぜにライトアップされています。街の建物が新旧入り混じっているところ、ボストンと似ている感じがしました。

 

ホテルはいつものことながら、プライスライン・ドット・コムで予約。今回は、ハイアットホテルを、125ドルでゲット!!!ハイアットでこの値段と言うことだけで充分おいしいのですが、行ってびっくり!「ジ・アーケード (The Arcade)」という、1890年に建てられた建物をそのまま使っていて、5階までの吹き抜け空間が、とにかく豪華!ホテルに泊まらなくても、そのアーケードを見に行くだけの価値はあります。地上3階から5階までがホテル、12階はブティックなどが並ぶショッピングモールとなっています。部屋は、狭目ですが、そんなことは気になりません(あくまでもアメリカのホテルとしては・・・というだけですから・・・)。次の日の朝、写真撮りまくりました。

 

 

アーケード・最上階より

朝食を食べたカフェ

 

 

9日の朝は、アーケード内1階のフードコートで、パンケーキで朝ごはん。その後、ダウンタウンをぶらぶらしてみることに。まずは、前の日に降りたタワーシティー駅。駅って言ったってこれがまた、大きくて議事堂みたいな威厳があって、中はショッピングモールなのです。DCのユニオンステーションと似てる感じ。ちょうど春物の服が不足していたところ、気に入ったお店を見付け、早速ショッピングに走る。旅先は恐ろしい・・・(とはダンナの密かなるツブヤキ・・・かも・・・)ちなみに、タワーの上から街が一望できるという展望台は、セキュリティーの問題から、もう上れないとのことでした(20044月現在)。殺伐とした時代になったものです。

 

タワーシティーと戦士のモニュメント(手前)

 

 

その後、駅前のパブリック・スクエアの中心に立つ、戦士のモニュメントThe Soldiers and Sailors Monument)を訪ねます。天に向かって延びる記念柱の下に、四面を戦闘場面の彫刻に囲まれたお堂が建っています。お堂の内側には、壁一面に人の名前が彫り込まれています。また、傍らの棚には、使い古された百科事典のように分厚い本が、20冊ほど並んでおり、そこに、兵士の入隊・脱退、その後の消息、怪我の有無(または死亡)など、一人一人についての記録が18000人分、残っているとのこと。つまり、オハイオ州の南北戦争従軍者の消息のほとんどすべてが記録されており、パソコンもワープロもなかった時代の情報記録としては、驚くべき精度だということです。DCのベトナム戦争モニュメントと同じく、兵士の親類・子孫が訪れたときに、その人が探している名前が壁のどこに記されているかを、その分厚い記録書を使って、2人のボランティア係員が教えてくれます。

 

 

 

青空に羽ばたく鷹

 

壁一面に彫られた戦士の名前

 

 

2人のボランティアのうちの一人は、厚木基地に駐屯したことのある、元海軍の軍人さんでした(海軍と言っても、ヘリコプターのパイロットだったので、横須賀ではなく厚木だったとのこと)。私たちが日本人と見ると、懐かしくなったのか、いろんな話をしてくれました。東京の交通渋滞はひどくて厚木まで4時間かかったとか、「惚れられた」○○子がなんでボクのことを好きになったのか分からないとか、チューハイを飲むと気が付かないうちに意識がなくなるとか・・・いえいえ、ちょっとは南北戦争のお話もしてくれましたよ。上に書いたことは、彼が教えてくれたのデス。最後に、モニュメントをバックにシャッターを押してもらい、握手をしてお別れしました。

 

つづいて、そこから北方向の正面に見える裁判所へ。裁判所の前には、2人の歴代大統領の坐像。セキュリティーチェックを受けて中に入ると、薄い桃色が基調となった大理石の内装。ステンドグラスを見ながら2階に上がると、そこには、裁判官それぞれの個室や、実際に裁判を行う部屋が並んでいました。ここは、カウンティー(日本で言うと、市と県の間くらいの規模の自治体)の裁判所でしかないのに、この豪華さ・・・ため息モノです。ジ・アーケードでも思ったのですが、この街の建築物は、まさに芸術的。階段の手すりのメタル部分や、分厚い木のドアの装飾などに、建築における最高の「仕事」を見て、感心ました。

 

裁判所 外観

 

 

大理石の内装

 

階段の踊り場には「正義」の女神

 

 

 

裁判室

 

裁判所の窓から、エリー湖畔のフットボールスタジアムが見えていました。そこへ向かって歩き、湖畔で、しばし工業都市だった痕跡を眺めます。五大湖の一つ、エリー湖では、当然のことながら、対岸は全く見えず。これは、海だー・・・航空写真がなければ、きっとみんなそう思ったに違いありません。

 

スタジアム前からウォーターフロント線の電車に乗ろうと待っていましたが、なかなか来ないので歩き始めた途端、やってきました。人生なんてそんなものです。もう引き返すわけにもいかず、そのまま歩いてタワーシティーに戻り、時間がなかったのでケイジャンチキンとスムージーのファーストフードでお昼。

 

 

午後は、様々な博物館がある、ユニバーシティー・サークルへ。工業時代の富をつぎ込んで世界屈指のコレクションを築いたと思われる、クリーブランド美術館が、そこでの最初の目的地です。レッド線の駅から歩くこと、20分あまり(遠い・・・路線バスを利用するんだった・・・)。やっと美術館に着いて、金曜日は夜9時まで開いている(20044月現在)ことに喜んだのも束の間、「今日は断水しているから閉館です!」と追い出される。なぜに断水だと閉館なのか・・・私の予想では、断水=火災の時スプリンクラーが作動しない=消防法で人を入れられない。これだ!(同じ理由で外部に貸し出しできない某音大のホールを思い出しただけですが・・・)

 

ユニバーシティー・サークル 大学キャンパス内に一般道が通っているなんて!!!

 

 

気を取り直して、はす向かいの植物園へ。ここは、2003年までは閉館していたとのことですが、多くの「お金持ち」の寄付のお陰で、リニューアルオープン!(寄付者の名前は、葉っぱ型のプレートに書かれて壁に貼ってある)この日は、美術館断水騒ぎのお陰で、植物園はずいぶん儲かったのではないかしら?ここには、2つの大温室があり、それぞれに、マダガスカル島の砂漠と、コスタリカの熱帯雨林が再現してあります。それだけでなく、そこに生息する生き物の展示もあります。たとえば、「砂漠」の方には、イグアナが放し飼いになっていたり、トカゲやハリネズミ、昆虫などはゲージの中ですが、見ることが出来ました。熱帯雨林の方では、青と紫の美しい羽のハチドリや、無数の蝶が、自由に飛びまわっていました。包括的に「砂漠」や「ジャングル」を作り出すのではなく、具体的に「ある場所」を指定して、そこの自然を「切り取ってくる」という展示方法、なかなかいいアイディアだと思いました。外の庭園は、残念ながら、まだ花がほとんど咲いていませんでしたが、岩流亭という日本庭園(ちょっと違う気も・・・)などを楽しみました。アメリカ人は、日本庭園が好きなようですね。

 

砂漠の温室
バオバブの木

 

 

 

 

ジャングルの温室

滝が涼しげ

 

 

 

 

 

ジス・イズ・ザ・ジャパニーズ・ガーデン!ビューティフォー!(?)

 

 

植物園を出た後、まさか、とは思ってもう一度美術館に行ってみました。そうしたら!その「まさか」で、断水が終わったのか、美術館、開いていました!嬉しかったです〜。クリーブランドに来て、クリーブランド・シンフォニーも聴かず、クリーブランド美術館にも行けなかったら、私的にはいったい何をしに行ったのか、と後悔すると思ったので。

 

この美術館、評判どおりアジア美術のコレクションが素晴らしかったです。インドはもとより、カンボジアの仏教美術など、日本ではほとんど見ることが出来ないものもたくさんあり・・・日本美術では、丸山応挙、狩野派の屏風などなど。それから、印象派・近代は見逃せません!モネ・ルノアール・マチス・セザンヌ・モジリアニ、一部屋丸ごとピカソなど・・・装飾美術品(食器・家具など)、甲冑など見所かもしれません。とにかく!見られて良かったでした。

 

そのあと、路線バスでダウンタウンに戻ります。夜は、ハンナ・シアターHanna Theater)で、「I love you, you are perfect, now change」という、ブロードウェイミュージカルを見ました。たった6人の役者さんと、ピアニストとヴァイオリニスト1人が、男女のカップルが人生で経験するいろんな場面を演じる、という、寸劇の組み合わせでした。もちろん、分からないところはたくさんあったけれど、雰囲気で理解できるところが多く、楽しめました。シアターはテーブル席だったので、サンドイッチのお夕飯をパクつきながら。チップスはさすがに、開演中は食べにくかったな〜。バリバリ、って・・・^^;;;

 

ミュージカルの舞台

 

 

たった1日だったけれど、フルに遊んだクリーブランド。翌日は、私だけ用事があったので、朝7時に起きてダンナを残し、一人で帰ってきました・・・(終)

 

 

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