チェンバロのおいたち

 

.チェンバロの誕生

 チェンバロは、14世紀に作られ始めたと考えられています。チェンバロが初めて文献に登場するのが、1440年です。アルノーという人が、楽器製作に関する論文を残していて、そこにチェンバロの発音機構のアイディアが、何種類か示されています。また、チェンバロが初めて絵に描かれたのは、15世紀のことです。たとえば、イギリス・ウォーイックの聖マリア教会のステンドグラスには、チェンバロと、クラヴィコード(弦を金属の小さな板で押し上げて音を出す鍵盤楽器)が描かれていますし、ドイツのミンデンの教会には、同じくチェンバロとクラヴィコードが刻まれたレリーフがあります。現存する最古のチェンバロの仲間として、1490年頃に南ドイツで作られた縦形チェンバロ(クラヴィツィテリウムという)が、ロンドン王立音楽院に保存されています。

チェンバロはそもそも、どうやって生まれたのでしょうか。チェンバロが生まれた背景には、その前にすでにあった2つの楽器が、重要なカギを握っているのです。

2つの楽器のうち、一つは、「サルテリー」という楽器。この楽器は、台形の木の箱の中に、台形の底辺と平行に様々な長さの弦が張ってあり、それをはじいて音を出していました。サルテリーに近い親戚には、映画「第3の男」の音楽でもおなじみの、ツィターがあります。

そして、もう1つが、最も古い歴史を持つ、「オルガン」です。何といってもオルガンは、紀元1世紀には文献に出てくるのですから、チェンバロの大先輩です。

さて、チェンバロは誕生する時、サルテリーから胴体を、オルガンから鍵盤をもらいました。そして、試行錯誤の末に完成してから現在まで変わることのなかった、完璧な発音機構をそなえ、1つの楽器として産声をあげたのでした。

現在使われているチェンバロは、フリューゲル型(フリューゲル=つばさ)ですが、この形も、生まれた当時から変わらないのです。サルテリーの等脚台形を、底辺の真ん中から真っ二つにすると、フリューゲル型の原型が出来あがります。生まれた当時から、形も機能もほとんど変わらなかったというのは、いかにこの楽器が完璧なものであるかの証明ではないでしょうか。

 

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